ダンスアーカイブプロジェクト

昨夜、ダンスアーカイヴプロジェクトにて公演を行った
舞踏家大野慶人さんを取材しました。
ダンスアーカイヴプロジェクトは、ダンスに関する資料を収集、
保存するだけでなく、ダンス公演で踊るダンサーのリアルな表現を通じて、
より実感のある解釈をもって次代に伝えるプロジェクト。
大野さんは、このコンセプトをまさに体現するかのように、
踊ることで舞踏が背負ってきた時代の空気感を刻々と伝えていました。
時には、花であり、音楽そのものであり、呼吸や粒子であり、
瞬間瞬間で変化する空間を支配していました。
そういう意味で、大野さんが生きた文化でした。
本当に目の離せない息を呑む瞬間が続き感動しました。
個人的には、実父である故大野一雄さんの踊る姿も時折かい間みることができました。
この日の作品は「禁色」。
約50年前、故土方巽さんが製作したセンセーショナルな舞台は、
当時のダンスの既成概念をはるかに超えた前衛的な内容で、
ここから暗黒舞踏がはじまったとされています。
60〜70 年代、土方さんの作品や思想や方法論に影響を受けた
先鋭的な文壇やアーティストを巻き込み、当時の前衛的な芸術運動と相まって、数々のセンセーショナルな作品とムーブメントを起こしました。その後、舞踏-BUTOHは海外に進出し、世界のどこにもないそのスタイルは、世界中の舞台芸術家やダンサー、クリエーターに影響を与え大きく評価され、
BUTOHというひとつの新しい舞台芸術のカタチとして定着していきます。(長くなるのでこの話は次回に....)
今回のインタビューでは、土方さん、大野一雄さんとともに生きた大野慶人さんが自ら、当時を振り返り作品がうまれた時代の空気感を語っていただくとともに、あれから50年、今、禁色を踊る想いや今後舞踏を通じて自身が伝えていくべきことを
身振り手振りを交えた独特の身体的な語り口で表現いただいており、とても貴重な映像になっています。
ヒトヒトプロモーションでは、「文化をつなぐ」というコンセプトのもと、今後大野一雄舞踏研究所とともに、一線で活躍しているダンサーの方々の協力も得ながら、過去の映像、画像などの資料とともに、時代に継承すべき生きた文化を映像で伝えていくつもりです。

photo by Toshifumi Tsuyama (HITO+HITO)

2016.02.13